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 続 SIGMA fp の「オォ!」
─────色カブリの話─────

──2022/10/15──


「オォ!」は特にありません(9月26日付)…いえ、いえ、ありました。カラーシェーディング。
ダメじゃん? SIGMA fp で書いた周辺の緑カブリを補正してくれる機能。Capture OneのLCC作成と同等なものでしょう。Capture Oneでうまくいかず諦めていました。過去α7II 時代に似たようなSONY製アプリをカメラ内にインストールすることができたもののうまくいかなかったし。
小さいボディだからレンズも小さい方が良い、さらにパンフォーカスで使いたいということでレンズはレンジファインダー用の広角と決めていましたが、Canon 25mm以外は色カブリが酷い。期待していたCapture Oneも惨敗。 fpをどうする? モノクロ専用に? それとも処分? 最後にfpのカラーシェーディングを試してみよう。が、これもダメ。なぜ? ひょっとしてライトテーブルを撮影しシェーディング用のデーターを作っていたからではないか。旧バージョンのCapture Oneは、ずっとその方法でやってきたのに… アイボリー系の机を撮影してfpのカラーシェーディング用データーにした。これがうまくいった。Capture Oneよりずーっと自然。

JPEG撮って出し「ティール&オレンジ」
レンズはCOLOR-SKOPAR 35mm Cタイプ(L39マウント)



カラーシェーディング「切」
焦点距離35mmでも大きくカラーシフト




カラーシェーディング「有効」






─────カラーシェーディングはRAWファイルにも機能する─────
RAWストレート現像(Capture One 22)



カラーシェーディング「切」




カラーシェーディング「有効」

ただし、RAWファイルの場合、補正後は逆にマゼンタにシフトする傾向がある。これはCapture One も同じだがfpのカラーシェーディングのほうがその後の補正が容易。Capture Oneでは専用のプレートを使って厳密に補正データを撮影しなければならないのかも知れません。



カラーシェーディング(有効) RAW ストレート現像





カラーシェーディング(有効) JPEG撮って出し


まだまだこれで終わりではなく周辺がやや不自然なのでカラーシェーディングの微調整で仕上げていくべきでしょう。撮影後の補正という手段ですがオールドレンズにも使えるこのカラーシェーディング機能はSIGMA fp の「オォ!」です。レンズ10本を登録することができ、レンズに関するメモも入力できます。これがEXIFに記録されれば言うことなかったのになぜやらない? できない?
GXR MOUNT A12ではレンズメモはEXIFに記録されたけど?





色カブリはレンジファインダー機のレンズ(フィルム用)を使用すると起きやすく、特に後ろ玉が撮像面に近い広角レンズはセンサーが苦手な斜めに光が入射するという悪条件で撮影することになるので色カブリは回避できません。
(一眼レフと違ってそれこそミラー「レス」にもかかわらず)撮像面までの距離を短くできないためにデジタルのレンズは大きくならざるを得ないのでしょう。



SIGMA fp + 超広角SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5(初代L39マウント)
カラーシェーディング(切)





カラーシェーディング(有効)

RICOH GXR MOUNT A12は後から補正するのではなくマイクロレンズによって斜めから入ってくる光を集めるセンサー構造になっているそうです。APS-Cサイズですからクロップされ、回避するための敷居は低くなってはいるものの色カブリのない気持ちの良い画像です。またセンサー前のフィルターを取っ払ったり、薄くすることによって周辺画質の低下を防ぐなどカメラ側のハードでオールドレンズ使用に伴う問題を解決しています。
メーカーとしては当然自社専用レンズ販売を優先するので、もうオールドレンズの使用を前提としたGXR MOUNT A12のようなカメラは出てこないでしょう。


(SONY α7Cのように色カブリが軽微なカメラはありますが)



SONY α7C + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 RAWストレート現像



小さく軽いレンズの需要は多いと思います。フルサイズだからレンズが大きくなるのは仕方ないという壁を突破するメーカーはどこになるのでしょうか。



今回使用したフォクトレンダーの小さなレンズ



COLOR-SKOPAR 35mm F2.5


SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5







 SIGMA fp の「ん?」のその後

──2022/10/19──


5ヶ月間に亘り SIGMA fp を使用してきました。一時は処分も考えましたが緑カブリも解決し、このまま使っていけそうです。ただ使い勝手は満足にはほど遠いものがあります。

起動時間
スタンバイ状態の時に約1秒で起動(fpのロゴが表示される)……と思っていた。ところが長時間放置の後でも電池の抜き差しをすると3秒かからず約1秒で起動する。3秒起動はなんとかなるんじゃないですかとメールしました。

ダイヤル設定とカスタムボタン
小さいがゆえ(?)勝手に設定が変わる……ダイヤルの「←」と「→」はどうしても無意識のうちに触れてしまうため何も割り当てない「切」にしました。パンフォーカスで使用するのでダイヤルの「↓」に割り当てられている「フォーカスゾーン」を「露出補正」に変更です。「露出補正」はAモードの時は前ダイヤルに割り当てられており、簡単に動いてしまうので「切」にしました。Mモードでは前ダイヤルがシャッタースピード、後ダイヤル回転は「切」にしました。露出補正をするときはダイヤルの「↓」を使用します。Mモードの露出補正はISOをオートにしているときに必要になります。ISOを固定にしているときは前ダイヤルのシャッタースピードが不用意に動いて露出補正値が変わってしまわないか注意が必要です。

前ダイヤル
後ダイヤル
────────── ────────── ───── ───── ───── ─────
Aモード│
ISO感度
露出補正
Mモード│
シャッタースピード
ISO感度
露出補正

─────なんというもったいない使い方 (^^; ─────

さらに現在QSボタンに液晶の明るさとドライブモード、クロップモードを割り付けていますが下部の「液晶ボタン」に最大の液晶の明るさ、「モードボタン」に2秒のセルフタイマーをボタンの長押しで割り付けできるようにして欲しい。こだわりがあるわけではないので、どのボタンでもいいのですがちょっと便利になって、「ファインダーがない」「手ブレ補正がない」のささやかなサポートになりませんか。ならんか…
その他、AELボタンに画面拡大を割り付けているので中央ボタンにいろいろ割り付けできるようにして欲しい。クロップを割り付けるだろうなぁ。あと、いいポジションにあるのだからRECボタンにも割り付けの自由を。SONYはできるよ。メールしよう。

カラーシェーディングに付随するレンズメモ
10本のレンズを登録できるのだから、ぜひEXIFに。


まあ、要望の大部分が特殊な使い方をしているユーザーの寝言だから無理っぽいけど。






SIGMA fp + COLOR-SKOPAR 35mm Cタイプ(L39マウント)







fp が GXR の後継?
(またまた前回の続き)

──2022/11/13──


GXRとGR、大きさとレンズ交換のことを考えるとGR2台持ちの圧勝。しかし、オールドレンズも使いたいからGXRの後継にはならない。オールドレンズの味とかではなく、ただ小さなレンズが好きなだけ。そこで緑カブリがほぼ解決した小さなfpの登場となりました。画質にそうこだわりはないものの周辺流れだけはNGなのできちんとテストしてみることに、さて。





GXR MOUNT A12+COLOR-SKOPAR 35mm F2.5  fp+SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5
大きさにさほど違いはありません。


テスト1 SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5




↑この画像の左下




右下



十分許容範囲です。



テスト2 CONTAX G Biogon 28mm F2.8(Mマウント改)





銘玉と言われていますが、デジタル泣かせの見事な後ろ玉




カラーシェーディング微調整が必要 ^^;)

↑この画像の左下




右下



左下が悪いですがこれも許容範囲でしょう。


このBiogonには画質改善フィルターがありまして
(作り方はこちらのサイトで教えてくれています。感謝)




下部左右の切り出し




↑この画像の左下




右下




上部左右の切り出し




↑この画像の左上




右上



fp は晴天時に屋外でピント合わせは厳しいので目測かパンフォーカスになります。CONTAX G レンズは鏡胴をそのまま流用してMマウントに改造したので距離指標がありません。無限と3mに印を付けていますがやや使いにくいです。


他のレンジファインダー用広角レンズも fp で使えるでしょう。GXRも魅力的なカメラですがレンズ本来の画角で写せる fp に移行していくと思います。ただ、1台ですべてまかなうことは難しく、携行重視のGR、レンジファインダー用レンズの広角は fp、35mm以上はAFアダプターをつけたα7Cということになりそうです。



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